インフォメーション
INFORMATION
日本トライボロジー学会 奨励賞受賞のお知らせ
平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
下記の通り、日本トライボロジー学会主催のトライボロジー会議2024春において、弊社の表面テクスチャリングメカニカルシール技術に関する研究内容を発表しました結果、奨励賞を受賞しましたので、お知らせいたします。
1. 学会発表・投稿論文について
開催日 :2024年5月27日(月)~29日(水)
名称 :トライボロジー会議2024春
開催場所 :国立オリンピック記念青少年総合センター
主催 :日本トライボロジー学会
開催案内URL: https://www.tribology.jp/conference/tribology_conference/24tokyo/
受賞内容URL: https://www.tribology.jp/activities/public_subscription/winner.html
投稿論文・講演タイトル:粒子追跡法によるテクスチャメカニカルシールにおける流れの可視化
2. トライボロジー会議について
日本トライボロジー学会(JAST)が主催する春(東京地区)と秋(東京以外)に開かれるトライボロジー会議には、多くのトライボロジストが集まり、最新情報が入手できる絶好の機会となっております。全国の大学、研究所、企業の現場からの研究成果が発表、討議されると共に、重点研究課題の集中講演も行われています。 トライボロジーは実学であるため、全国の会員から寄せられる情報が学会発展にも貢献しており、会員同士の積極的な情報提供、交換が行われています。当社で開発中の表面テクスチャシールの機能に対する研究成果の発表を通した、国内への技術PRを目的として参加したものです。
3. 学会発表の概要
研究背景
近年,レイリーステップと逆レイリーステップを備えた表面テクスチャメカニカルシールが提案されており,高い密封性能と潤滑性能の両立が実現されている。その中で、円環深溝と半径深溝が流体の導入・排出やキャビテーション制御に重要な役割を果たす。しかし、深溝の深さや形状が流体挙動に与える影響については十分に検討されていない。本研究では、粒子追跡法(PTV)と数値流体解析(CFD)を用いて、深溝の深さと流れ・気泡挙動の関係を可視化・解析したものである。
実験内容
水環境にてしゅう動面をガラス越しにハイスピードカメラで撮影しながら、レーザを照射して、水に分散させた粒子の蛍光を記録した。これにより、深溝内の流体の流れを粒子追跡法(PTV)によって可視化した。さらに、実験結果の補完と理解を深めるために、数値流体解析(CFD)を実施し、深溝内の流速分布や流線を算出した。これにより、実験で観察された流れとの整合性を検証した。
実験結果および考察
深溝内の流体の流れは、可視化実験と流体解析の結果が定性的に一致しており、解析手法の妥当性が確認された。深溝の深さを変えることで、流れのパターンや気泡の発生状況が大きく変化し、特に深さが大きい場合には気泡が安定して滞留する傾向が見られた。このように気泡が存在する場合は、流体解析との乖離が見られることが明らかとなった。また逆レイリーステップ後端に連通する深溝では、キャビテーション領域および内周側から気泡が流入し、外周側へ排出される様子が観察された。これらの結果は、メカニカルシールの性能向上に向けた設計指針として有用であり、今後の最適化に向けた基礎的知見を提供するものである。
4. 奨励賞受賞について
トライボロジーに関し優れた研究成果をあげた満36歳未満の若手会員に授与される賞であり、2024年度はトライボロジー会議2023秋名護および2024春東京を含むこれまでのトライボロジー会議の予稿集に掲載された著者、トライボロジスト70巻6号までに掲載された論文(学術論文・速報論文・技術論文)の著者、トライボロジーオンラインに2025年6 月末までに掲載された論文(Article・Short Communication・Technical Report)の著者が対象となっております。
トライボロジー会議2025春にて受賞者が発表され、弊社の発表が選出されました。下記は受賞式の写真となります。

