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数値解析技術

流体潤滑解析技術

流体潤滑解析技術は、レイノルズ方程式と呼ばれるトライボロジー分野の基礎式の一つを解くシミュレーションの技術です。この技術は、主に表面テクスチャリングを施したメカニカルシールの性能予測に用いられ、摩擦抵抗・吸い込み/漏れ量などの重要指標を算出することができます。
流体潤滑解析技術は、「世界初の低損失と高密封性を両立した表面テクスチャリングメカニカルシール」の開発・実用化に繋がったイーグル工業のコア技術の一つであり、世界トップレベルの研究機関・企業と切磋琢磨し続けています。
また、数値最適化手法と組み合わせることにより、使用環境・条件ごとに最適なテクスチャリング形状を効率的に導出することを可能にしています。

流体潤滑解析技術
流体潤滑解析技術

機械学習を用いた流体潤滑の圧力分布予測への取り組み

表面テクスチャで発生する圧力分布は流体潤滑理論に基づき計算され、シール性・潤滑性の向上に寄与しています。アプリケーション毎に作動条件が異なるため、その都度表面テクスチャ形状の最適化が行われ、その過程で大量の解析データが生成されます。これらを近年話題となっている機械学習によって学習することで、数値解析の代わりとなる代理モデルの構築の検証を行いました。
白黒画像のカラー化等で良く使用されている“U-Net”を機械学習のモデルとして採用することで、表面テクスチャ形状から、数値解析の圧力分布を、高速かつ精度良く再現可能な代理モデルの構築に成功しました。機械学習によって蓄積データを活用し、数値解析を支援することで,大幅な時間短縮に繋げることができます。

機械学習を用いた流体潤滑の圧力分布予測への取り組み
機械学習を用いた流体潤滑の圧力分布予測への取り組み

遺伝的アルゴリズムに基づく表面テクスチャ形状の多目的最適化

表面テクスチャリングは様々な溝形状が組み合わさることによって、非常に多様な設計が可能です。一方で、流体や使用条 件が多様な環境に適応するためには、多数の評価項目に対して 優れた特性を示す必要があります。各々の溝形状に対して評価 を行う場合、検討数が膨大となることに加え、設計指標の複雑化が課題となります。 EKKでは、遺伝的アルゴリズムを用いた多目的最適化を行う ことによって、多数の設計指標に対して適切な溝形状を効率的に設計しております。 本遺伝的アルゴリズムでは、まずランダムに形成された複数の固体(表面テクスチャリング)に対して評価を行い、優れた 溝の特徴を探索します。次の世代ではその優れた溝形状の特徴 を引き継いだ固体群を形成し、更に優れた溝の特徴を探索します。世代交代を繰り返すことでより優位性の高い個体を探索し、多様な評価指標に対して最適な表面テクスチャリングを算出することが可能となります。

遺伝的アルゴリズムに基づく表面テクスチャ形状の多目的最適化

計算科学によるしゅう動メカニズムの解明

メカニカルシールの摺り合う箇所は、カーボンやSiC等のセラミックスが使用されています。これら材料の摺時に発生する摩耗粉や、形成されるナノ界面の形成は摩擦抵抗の低減や、長期運転時の安定性において非常に重要となります。これらの現象のメカニズムを解明し、しゅう動に適した材料組成を設計するため、EKKでは分子動力学シミュレーションに代表される計算化学を活用しています。計算化学を用いることで、設計者の感性によらない分子・原子レベルでの理論的な検証が可能となります。
EKKでは比較的大規模なモデル(5万原子)によって基板間のしゅう動シミュレーションを行うことで、しゅう動によるトライ簿膜の生成過程や、発生する摩耗粉の組成を解析することができます。また雰囲気や基板の組成の違いによる摩擦係数の変化も定性的に説明することができます。

計算科学によるしゅう動メカニズムの解明

深溝流体解析技術

EKKの表面テクスチャリング技術では、メカニカルシールのしゅう動する面に、流体を導入し効果的に利用するための流体導入溝を付与する場合があります。このような種類のテクスチャリング形状では、溝内部の複雑な流れを予測・評価することが潤滑性確保のために非常に重要になっています。
EKKでは、Computational Fluid Dynamics(CFD)を用いて、上記溝内部の流れを予測・可視化し、使用環境・条件に合わせた適切な溝設計を行い、様々な環境に適合する溝形状を提案可能です。

深溝流体解析技術

熱流体解析技術

イーグル工業ではCAE (Computer Aided Engineering)を積極的に進めています。CAEは、計測困難な情報の予測や試験回数の低減など、コスト低減や短納期化、高品質化に大きく貢献できる技術です。
熱流動解析技術(熱-流体連成解析)は、流体と構造のエネルギ・運動量・質量の各保存則を同時に解くことで、流体挙動と伝熱を統合的に精度良く予測できる技術です。発熱や吸熱がシステム全体に及ぼす影響が大きな分野では重要な解析技術であり、EKK製品の品質向上・低コスト化に大きく貢献しています。

熱流体解析技術
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