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2023 / 10 / 03

9th International Tribology Conference, Fukuoka 2023でのExcellent Paper Award受賞のお知らせ

平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

下記の通り、日本トライボロジー学会が主催している9th International Tribology Conference, Fukuoka 2023において、弊社の表面テクスチャリングメカニカルシール技術に関する学会発表およびTribology Online特集号への技術論文を投稿しました結果、Excellent Paper Awardを受賞しましたので、お知らせいたします。

 

1. 学会発表・投稿論文について

 開催日                  2023926日(火)~30日(土)

 名称                     9th International Tribology Conference, Fukuoka 2023

 開催場所              :福岡国際会議場

 主催                     :日本トライボロジー学会

 開催案内URLhttps://www.itc2023.jp/

 受賞内容URLhttps://www.itc2023.jp/html/call-for-papers/awards/

 投稿論文・講演タイトル:Variation of Cavitation Pressure with Liquid and Operating Conditions in Mechanical Seals

 

. International Tribology Conference (ITC)について

 日本トライボロジー学会(JAST)が主催するInternational Tribology Conference (ITC)は,1985年の東京での開催後、今年で9回目の開催となる、歴史ある会議です。参加者は世界中から年々増加し続け、トライボロジー分野の重要な国際会議として認識されており、本会議では約1,000人の参加者と約700件の研究発表が行われました。ITC Fukuoka 2023での講演テーマは、トライボロジーの貢献している科学技術全般を網羅しており、“Reunite, Invigorate, Create an Inspiring Future”というスローガンが、新しいアイディアや技術の発展を交換する刺激的な機会を提供する強い願望を表しています。当社で開発中の表面テクスチャシールの機能向上に関する研究成果の発表を通した、国内および海外への技術PRを目的として参加したものです。

 

. 投稿論文および学会発表の概要

 メカニカルシールにおけるキャビテーション

 レイリーステップと逆レイリーステップを備えた新しい表面テクスチャーを持つメカニカルシールが最近開発され,高い密封性能と潤滑性能の両立が実現された.この密封機構は,逆くさび部に発生する負圧によって引き起こされるキャビテーションを利用するもので,このキャビテーションは摺動摩擦の低減に寄与するが,流体潤滑による正圧領域が狭くなり負荷容量が低下すると問題となる.したがって,設計者はキャビテーション圧力の特性の詳細を理解する必要がある.

 

実験内容

 メカニカルシールの密封流体膜のキャビテーション圧力を調べるために一連の実験を行った.密封流体膜におけるキャビテーション領域の形成をCMOSカメラで直接観察した.キャビテーション領域の圧力(以下「Pcav」という)は,ダイヤフラム式圧力センサで直接測定した.本研究では,同様の動粘度を有する種々の潤滑油を密封流体として使用した.

 

実験結果および考察

 油の場合,Pcavは安定しており,すべての条件で各油の蒸気圧よりも高く,これはキャビティの形成が気体性キャビテーションによって支配されていることを意味している.密封流体中の溶存空気量を決定するために,液中の溶存酸素量を酸素分析装置で測定し,飽和条件と脱気条件の両方についてヘンリーの法則から変換した.その結果,Pcavは動作条件に関連していることが分かった.様々な摺動速度条件の結果は,摺動速度が速いほどPcavが低いことを示した.

 シール面の膜厚は,メカニカルシールの最も重要な設計要素である.そこで,Pcavは高圧側のレイリーステップ形状によって維持される様々な膜厚で測定した.様々な膜厚による計測結果は,薄膜がPcavの低下に繋がることを示した.また膜厚は同等であっても,各摺動速度におけるPcavは封止流体の種類によって若干異なっていた.しかし,Pcav,溶存空気,各流体の極性の間に相関は認められなかった.同等の油量と速度条件で空気を飽和および脱気した結果,溶存空気量が少ない場合,Pcavは小さいことが示された.実験結果に基づいて,キャビティ内外のガス輸送とキャビテーション圧力との関係について議論した.

 

4. Excellent Paper Award受賞についてから

 Excellent Paper Awardは,ITC Fukuoka 2023で発表し、Tribology Online特集号に投稿された優れた論文のみに贈られる賞です。発表を行い、投稿された論文の中から、EKK投稿論文が選出されました。以下は受賞式の写真となります。

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