株主・投資家情報

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イーグル工業株式会社 代表取締役会長兼社長 鶴 鉄二

2017年度は増収増益
3カ年計画の最終目標達成に向け、
主要推進項目に鋭意取り組んで
まいります。

2018年6月 
代表取締役会長兼社長

鶴 鉄二

Q:2017年度の経営環境および業績とその評価をお聞かせください

A:2017年度は計画・前年対比ともに増収増益となりました。

 2017年度(2017年4月1日から2018年3月31日まで)の世界経済情勢は、米国では、堅調な個人消費を背景に拡大基調が続き、欧州においてもドイツを中心にほぼ全域で景気は上向いて推移しました。中国では、引き続き過剰設備削減をはじめ構造調整を要する状況にありますが、民間消費の増大により安定的な経済成長が持続し、東南アジア、インドにおいても緩やかな成長が維持されました。一方、年度後半になって、東アジアの地政学リスクや、米国での保護主義的政策への傾斜で金融市場が混乱するなど不透明感が増す状況も生まれました。

 日本経済においては緩和的な金融政策を背景に企業業績が緩やかに上向き、実体経済にも徐々に回復の兆しが見える状況となりました。しかし、足元で東アジア情勢、保護主義への警戒から円高が進行し、今後の推移次第では企業業績への影響が想定される状況となりました。

 そうした中、当社グループは、2019年度を最終年度とする3カ年の中期経営計画「持続性ある企業体質の構築 –Fly Sky High!」をスタートさせ、その目標達成に向けて精力的に事業に取り組みました。 その結果、計画および前年対比で増収増益を達成することができました。

 なお、配当につきましては、当年度の期末配当金を前年度と比較し5円増配した30円とし、中間配当金20円と合わせて、年間配当金を50円とさせていただきました。

Q:事業セグメントごとの状況をお聞かせください。

A:各事業とも販売は堅調に推移いたしました。

 自動車・建設機械業界向け事業は、自動車向け製品が、日本および中国・欧州・米国市場もほぼ堅調に推移するとともに、建設機械向け製品も好調となり、売上高は計画・前年対比で増加しました。しかし、利益面では、自動車向け製品において販売価格の低下や、利幅の少ない製品の販売が増加する、いわゆるプロダクトミックスの影響により、計画・前年対比で減益となりました。

 一般産業機械業界向け事業は、原油価格が比較的安定していたことを背景に、日本・インド・アジアパシフィック地域それぞれにおいて、石油精製・石油化学プラント向け製品を中心に販売が好調に推移したことから、計画・前年対比ともに増収増益となりました。

 舶用業界向け事業は、新造船向け製品の需要に底打ちの気配がみられるものの低調に推移した一方、アフターサービスおよび部品販売が欧州、東南アジア地域を中心に回復しはじめたことから、計画・前年対比で売上高は微減、営業利益は増益となりました。なお、海洋環境規制施行延期の影響もあり、第2四半期以降、部品の販売は予想ほどには伸びていないという状況です。

 航空宇宙業界向け事業は、前年度に当セグメントに含めていた光工学業界向け事業から撤退したことから、計画・前年対比ともに減収減益となりました。

Q:注力した取り組みとその成果、ならびに3カ年計画の進捗をお聞かせください。

A:3カ年計画の主要推進項目を着実に進め、成果も徐々に出つつあります。

 2015年度下期より取り組んでいる、顧客から信頼される製品品質の確保と、世界同一品質の確保を目指し、世の中に1個たりとも不適合品を出さない「永遠のゼロ」活動においては、市場から品質の情報を収集し、分析することで製品のウィークポイントを抽出し、得られた結果を製造工程の改善や新製品の開発にフィードバックする仕組みをグループ全体に浸透させました。

 技術開発面では、次世代モビリティ・次世代エネルギー市場をターゲットに、当社の固有技術を活かした製品開発を継続しています。特に、メカニカルシールの表面テクスチャリング技術を応用した製品の開発・拡販に注力していますが、この技術により、低トルク環境であっても高密封性を発揮する機能を実現でき、シールを設置する機器の省力化と環境負荷の低減にも貢献することが期待されています。具体的には、自動車のターボチャージャーや減速機、ウォーターポンプをはじめ、電気自動車の駆動用モーターに至るまで、超高速回転が求められる機器への拡販を進めています。また、次世代エネルギー市場向けにおいても、海水流発電をはじめ各種次世代発電装置などに本技術が応用された製品が納入されています。

 また、将来普及が想定される電気自動車(EV)への対応については、EVの開発や普及が著しく発展すると見込まれている中国および欧州(ドイツ)において、R&Dセンターの設立に着手いたしました。R&Dセンターの設置は、現地の研究開発機関との連携をはじめ、各種政策や自動車業界の動向把握など、EV化対応において必要な情報・リソースの確保が可能となり、更なる研究・開発のスピードアップが図れるとともに、EKKブランドの普及、営業力の強化に資するものと考えております。なお、各R&Dセンターの稼働は、中国・欧州ともに来年度初旬を予定しております。

 その他、「TCD(Total Cost Down)」と「ムダの排除~すべてを半分に~」(ムダ半)をスローガンとした利益創出への取り組み、各事業拠点において大規模災害が発生した際においても事業継続可能な体制を整備するBCM(Business Continuity Management)対応、EagleBurgmannアライアンスにおける日本・インド・アジアパシフィック三極全体最適経営の推進、継続したグループ全体におけるERP(Enterprise Resources Planning)の導入と円滑な運用への取り組みを推進いたしました。

 また、人間尊重経営/健康・安全においては、働き方改革に関連して、労災の撲滅に向けた活動をはじめ、社員の健康と安全の実現を第一とし、女性社員の活躍推進、時間外労働の削減、有給休暇の積極的取得も継続して取り組んでいます。また、真に働きがいのある職場の実現にむけて、何でも話し合える、意見を言うことができる、コミュニケーションが図りやすい風通しのよい職場づくりに努めています。

Q:新たな課題や今年度以降の取り組み方針などをお聞かせください。

A:収益性が大きな課題。品質納期を順守した製品・サービスの提供により適正価格を実現します。

 引き続き3カ年計画を着実かつ積極的に遂行していくことで、経営基盤、事業基盤の強化と拡大に取り組んでまいります。その中でひとつ懸念されるのが、収益性の問題です。当年度は、計画・前年対比ともに増収増益を達成することができましたが、その中身を見てみると、売上高の伸びほどには利益は上がっておりません。それにはさまざまな要因がありますが、大きな課題としてあげられるのが、製品の販売価格の低下と利幅の少ない製品の販売増加、そして鋼板をはじめとした原材料の価格上昇です。

 今後、収益性を高めていくためには、これまで通りにTCD活動やムダ半活動の推進による生産性の向上と利益創出に努めてまいりますが、一方で製品価格の改訂も行う必要があります。

 製品価格の改訂にあたっては、製品の品質とその納期を順守することで初めて実現できるものと考えています。昨今、産業界において品質に類する不正問題が複数発生していますが、不正か否かにかかわらず、ひとたび不適合品が発生すれば、顧客・会社ともに大きな損失を被ることは間違いありません。常に高レベルの品質を維持しつつ、ひとつも不適合品を出さないというのは非常に困難な課題ですが、現在グループ全体で取り組んでいる「永遠のゼロ」活動の進展により、徐々にその効果も発揮されてきています。そして一部製品において課題となっていました納期問題についても解決への糸口が見えてきている状況です。これらの活動を踏まえ、真に顧客に納得いただける製品・サービスを提供することで、製品価格の改訂すなわち適正価格の実現に繋げていきます。

Q:最後に株主様へのメッセージをお願いします。

A:3カ年計画を着実に進め、大きな目標の達成を目指してまいります。

 今年度は3カ年計画の中間年度にあたります。最終年度である2019年度には売上高1,800億円、営業利益180億円、また、その後の目標である2020年度の売上高2,020億円、営業利益202億円に繋げるための非常に重要な1年間です。目標の達成はもとより、より強固な企業体質を構築し、いかなる時代の変化があろうとも永続的に成長を続けていくために、

  1. 1.永遠のゼロ
  2. 2.次世代商品開発
  3. 3.徹底したTCD、ムダ半
  4. 4.BCM
  5. 5.EagleBurgmann三極全体最適経営
  6. 6.ERP導入/活用
  7. 7.人間尊重経営/健康・安全

 3カ年計画で掲げるこの7つの主要推進項目に、着実に取り組んでまいります。株主の皆様におかれましては、当社グループの経営方針ならびに経営施策に対するなお一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。